Book Review
『2/3の不在』 [Book Review]
投稿日時:2009/12/15(火) 16:44
(Man Walks into a Room/Random House, Inc.)
ニコール・クラウス (Nicole Krauss)著
坂本 憲一 翻訳
アーティストハウスパブリッシャーズ
2004年9月刊
ラス・ヴェガス郊外の砂漠で一人の男が発見された。所持品からコロンビア大学教授のサムソン・グリーンであると「推定された」が、彼自身は自分の名前すら思い出せない状態だった。
知らせを受けたサムソンの妻アンナは、夫を迎えに急ぐ。しかし職場から唐突に行方不明になり、思いもよらない場所で八日ぶりに発見された夫には妻の顔が見分けられず、自分が結婚していたことさえわからない。追い討ちをかけるようにサムソンの脳にさくらんぼ大の腫瘍がみつかる。摘出すれば記憶の大部分は完全に失われて二度と戻らない。
手術は決行され、サムソンはその後アンナに連れられて自宅に戻る。何とか記憶を取り戻そうとするサムソンとアンナの苦闘が始まるが…