日本語 English 大きくする 標準 小さくする

海外トピックス

わたしの起業法 ≪アメリカ≫ [From USA]

投稿日時:2009/08/26(水) 17:11

わたしの起業法 ≪アメリカ≫≫≫≫≫

 

●プロフィール  パリジェン聖絵

日本で英文学士号、米国で言語学士号を取得。バベル通信英日翻訳講座修了。
出版関連企業にて翻訳と編集を担当。バベルで修士号を取得後、オレゴン州にて翻訳業を営む。
 

サービスの提案と信頼関係の構築が要

私の翻訳との出会いは、昔、バベルの通信講座を受講したのが始まりです。後に出版関連の会社に就職して翻訳を担当するようになると、翻訳への思い入れが強まり、バベル PST へ進学。卒業後は本格的に翻訳ビジネスを行うことにしました。まずは「プロ」を名乗るに恥じない準備を整えるべく、固有のドメイン名を取得してビジネス用の E メールアドレスとウェブサイトを作成し、それらを記載した名刺も作成しました。ウェブサイトは、自分の経歴や連絡先を載せた簡単なものですが、お客様にも参照してもらえますし、真面目な翻訳業の看板としても役立っています。
実際の仕事と諸々の事務は私が一人でやっています。 PST 在学中からも少しずつ翻訳を受注してはいましたが、卒業後に本格的に活動するにあたっては、幸運なコネクションがまず足がかりとなりました。その後はお客様との信頼関係に力を入れていった成果があったと考えてよいのでしょうか、翻訳依頼は口コミによって大きく途切れることなくいただいています。今のところ別の翻訳者を雇用する形態は考えておらず、大きな宣伝はしていません。お客様に満足してもらえるよう、大手の翻訳会社とは違うメリットを感じてもらえるように努めています。私のような小規模な翻訳業では、「小回り」がきくことが売りになっていると思います。例えば、数時間単位での納品や週末の納品もありますし、不明な部分があれば原稿の執筆者と直接連絡をとらせてもらうなど、質の向上のために一歩踏み込んで働きかけています。また、私は DTP 編集の経験がありますので、見栄えのいいレイアウトの文書を作成できるというのも強みになっています。基本的にはお客様の意向を尊重しますが、ただ全面的に受け入れるのではなく、お客様にとって何が真の利益になるのかを考えて提示していくことにも力を入れています。翻訳会社を通した案件の場合、指示どおりの翻訳作業を行うだけに留まることが多いと思いますが、直接お客様に対応する場合は、適切な提案や疑問を投げかけられるかどうかも腕の見せどころです。相手の事情を察しつつ、相手も気付かなかったような案を適切に提示し、結果的に喜んでもらえれば強い信頼関係に結び付きます。私自身にとっては必ずしも有利ではないものの、お客様にとって有利と思われる提案をしたことで、逆に良い方へ向いたという経験もあります。あるお客様から大量の翻訳の依頼があった時のことです。私にも充分に対応可能な内容で、報酬もかなりの高額となることが予想され、二つ返事でお受けしたい案件でしたが、大きな翻訳会社であれば必ずTradosを使用するであろうものでした。お客様には Tradosの知識がなかったため、 Tradosを使用している翻訳会社に依頼したほうが納期、質、予算の面で有利である旨を正直にお伝えしたところ、そのお客様は私に Tradosを購入してくださり、今でも良好な関係が続いています。またある時、とあるお客様から大きなプロジェクトを依頼された際は、私が一人で納期と格闘しながらこなしていくには質の低下が懸念されました。納期を守りつつ質を確保し、かつお客様のコストを抑える案はないかを考えた末、翻訳作業と同時進行で私が別の翻訳者のトレーニングを行うプランを提示し、喜んでいただきました。
私の行っているような翻訳業は、設備投資はさほど必要ありません。あとは自分が資本です。お客様のために何ができるか。それを考えながら自分ならではのサービスを提供し、信頼関係を築いていくことで、成功につながるのではないかと思っています。

<< 2024年5月  >>

Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

ブログテーマ