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フリーランスの起業の心構え ≪トルコ≫

投稿日時:2009/08/21(金) 17:12

フリーランスの起業の心構え ≪トルコ≫

 

●プロフィール  ハクセヴェルひろ子

大学卒業後、日系商社、外資系金融機関に勤務。結婚後トルコ在住。2005年11 月バベル翻訳大学院修了、翻訳修士号取得。現在は、フリーランス翻訳者として主に海外の翻訳会社と取引。

 
フリーランスで起業するのは難しいことではない。地球上のどこにいても、インターネットの接続と PC があれば翻訳業は始められる。ただし、翻訳者と名乗ることと仕事を続けて受注できるようになることは、まったく別の次元の問題であり、仕事が取れなければ、翻訳者という肩書きもただの自己満足にすぎない。ここでは、起業手続き上の問題は別にして、私の 9 年間にわたる翻訳者としてのこれまでの経験を踏まえ、海外で途切れずに仕事が受注できるようになるコツを簡単に説明したい。
 

(1)大学や大学院で翻訳を体系的に学ぶ

海外で翻訳者の能力を判断する最大のポイントは学歴であり、しかも体系的に翻訳を学んでいるかどうかで評価が大きく変わる。私自身、バベル翻訳大学院 (PST) で修士号を取得してから 1 年足らずで仕事が途切れなくなった。
 

(2)世界を視野に入れる

日本の翻訳会社のトライアルを受けて合格し、登録しても仕事が発注されないという話はよく聞くが、海外では優秀な英日翻訳者を血眼になって探している。英文の原稿を書き起こした海外企業が、海外の翻訳会社に直接英日翻訳を依頼する例が年を追って増加している。
 

(3)翻訳団体の有料会員になる

経歴や CV(履歴書)を多くの人の目に触れるようにするには、翻訳団体の会員になるとよい。また、有料会員になれば、翻訳会社の格付けも閲覧できるため、翻訳料金の未回収などの問題を事前に防ぐことができる。世界最大の翻訳団体としては、 Proz.com が有名。
 

(4) PCやインターネット接続は最新の状態に保つ

PC は最新の状態にしておかないと、いざというときに役に立たない。たとえば、最新のTrados に対応するには Office 2003 以降が必要であり、大型ファイルのダウンロードには、高速インターネットが欠かせない。
 

(5)資料代をけちらない

翻訳者に必須の辞書や資料類は、最初のうちは赤字になっても揃えておく。仕事を依頼されてから注文したのでは間に合わない。
 

(6)翻訳会社とのレスポンスを良くし、翻訳会社が期待する以上のサービスを心がける

メールの返信やファイルの受領確認は迅速に行う、急ぎの案件に気持ちよく対応するなどのサービスを心がければ、翻訳会社に好感をもたれ、仕事を頼みやすい翻訳者だと思われる。

 

(7)納期は厳守

 

(8)どんな仕事にも全力投球

 
上記の 2 つは、翻訳会社の経営者から聞いた翻訳者の最低条件である。翻訳業はサービス業なので、どんなに実力があっても、納期が守れなければ翻訳者として使い物にならず、仕事によって手を抜くのであれば、安心して仕事を任せられない。また、ひとつひとつの仕事に全力で取り組むことによってのみ実力が向上する。
 

(9)自ら許容限度を設定しない

X 円以下の仕事を引き受けないという人がいるが、訳してこそ翻訳者である。最初のうちは多少レートに不満があってもどんどん仕事を引き受けて実績を積み、その実績を武器にランクが上の翻訳会社にアプローチする。
 

(10)失敗を恐れない

以上のことを実行して翻訳会社と良好な関係を築き誠実に対応していれば、クライアントからの評価が思わしくない場合でも、簡単に切られることはない。

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